せきは、気管内から異物を排出しようとする反射の一つで、呼吸器系に刺激や炎症があるときにみられます。かぜなどで炎症が気管に及ぶと、気管内の分泌物が増えて、たんになります。せきは、たんを外に出すはたらきをしますが、せきが長引くと体力を消耗し、睡眠を妨げるので適切なケアが大切です。
せきには、たんを伴うせきと、たんを伴わないせき(からせき)があります。
たんをともなうせきの原因の多くは、かぜによるものです。この場合は安静にしていればそれほど心配ありませんが、発熱や呼吸困難をともなうようなとき、黄色いたんが出るようなときなどは、肺の病気が考えられますので、すぐにかかりつけの医師に診てもらうべきです。
また、たんをともなうせきが半年くらい続き、朝に発作が起こるような場合は、慢性気管支炎が考えられますので、やはり医師の診断を受けてください。
せき・たんのメカニズム
せきは、呼吸器の外に異物を出し、肺が病気になるのを防ごうとする生体防御反応のひとつです。気道粘膜などで刺激が感知されると、延髄内にあるせき中枢からの指令を受けてせきが発生します。
また、気管支には、吸入されてくる空気に適度な温もりや湿り気を与える分泌物が一定量分泌されています。ところが、かぜのウイルスなどによって気管支に炎症がおこると分泌物がふえて塊となり、たんが発生します。
このたんを排除するのも、せきの大切な役割です。しかし、長く続くせきは苦しいだけでなく、体力の消耗や不眠、食欲不振などの原因に。せき・たんを止めることはかぜを早く治すことにもつながります。
かぜにともなってせきとたんが出る
一般にいう気管支炎のことで、ふつうのかぜ、インフルエンザなどによる呼吸器疾患にともなって多くみられます。また化学性物質の煙などの刺激によっておこる場合もあります。通常はまず強いせきが出て、次第に無色透明あるいは白色のねばねばしたたんが出るようになります。せき・たんにともなって高熱が出る場合も少なくありません。
喫煙の習慣などでつねにたんがからむ
長い期間にわたって気管支粘膜が刺激を受け続けることでおきる病気で、たんが出るのが特徴です。主な原因は喫煙の習慣によるもので、とくに夜間から早朝にかけて症状が悪化しやすくなります。重症にならないうちに禁煙をおすすめします。また、白いたんが出て息をすると「ヒューヒュー」「ゼイゼイ」という音がするのは気管支ぜんそくにみられる症状です。ぜんそくは、アレルギーが原因で起こります。
「へんとうせん」がはれる
一般的にへんとうせんと呼ばれる「へん桃」は、のどの中において外部から侵入する細菌やウイルスを防ぐ免疫上の役割をはたしています。しかし、アレルギーや過労などをともなったときにはへん桃の免疫力が低下し、へん桃炎を併発して発熱などをともなうことがあります。
のどがつかえる、声がかれる
炎症によってのどがはれると、ものを飲み下しにくくなったり、声を出すときに痛みをともなったりします。炎症がさらに喉頭部まで広がっていくと、声がかれたり、出にくくなったりすることもあります。喉頭は呼吸道の入り口なので、悪化による呼吸困難をきたさないよう注意が必要です。
安静にする
せきが長く続くと、体力を消耗します。かぜをひいてせき・たんが出る場合は、かぜへの対応と同じで、部屋全体を暖かくし、十分な安静と休養をとることが大切です。せき込んだときには、上半身をやや高くして寝ると少し楽になります。背中を静かにさすってもらってもいいでしょう。
カラオケも無理は禁物
最近はカラオケブームですが、長時間にわたって歌い続けることは好ましくありません。とくにお酒やタバコを吸いながら無理な発声をくりかえすと、のどは大きなダメージを受けてしまいます。体調が悪いときはひかえるなど、無理をせず、自分のペースで楽しむことが大切です。
誘因をさける
汚染された大気や、室内のほこり、タバコの煙、冷たい風などは、せきを引き起こす原因になるので避けるようにしてください。また、室内の乾燥もせきの誘因となります。室内の空気はクリーンな状態にして、加湿器やぬれタオルなどで湿度も保つように工夫しましょう。
薬を服用する
せきやたんのつらい症状を早く楽にする薬として、さまざまなタイプの市販薬が出ています。中枢にはたらいてせきをしずめる成分、気管支を広げてせきを楽にする成分、気管の分泌を促してたんを出やすくする成分などのものがありますので、症状にあわせて上手に服用しましょう。



